初恋-はつこい-

約束の時

夕食も終わり、

とうとう夜の自由時間を迎えた。


昨日、圭輔に指定された時間。


真由の鼓動はどんどん早まり、

自分が今何をすれば

いいのかさえ

分からなくなっていた。


「真由、落ち着いて」


花帆が真由の肩を

ぽんと叩きながら言う。


「え、だって……。

 もうすぐ香坂君が……」


舞い上がりすぎて

思うように言葉も出てこない。


ただ、

布団に横たわるしか出来ない。


「リラックス、リラックス。

 ほら、ゆっくり深呼吸」


そう言いながら

花帆が真由に

深呼吸するように促す。


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