初恋-はつこい-

思いがけない誘い

左胸にある名札にそっと触れる。


―――虹色に輝く

水晶玉のキーホルダー―――


圭輔も真由と同じように

つけていてくれることが、

真由を自然と明るい笑顔に

してくれた。


「まーた、にやついてるー」


真由の頬をつつきながら

杏奈がからかい半分に言った。


「だってぇ、嬉しいんだもん」


頬を赤らめながら

真由は言葉を弾ませる。


杏奈と毎日通る通学路が、

今の真由には

全てが輝いているように見えた。


「たく、

 もう修学旅行終わったんだよ」



< 318 / 485 >

この作品をシェア

pagetop