初恋-はつこい-
取り残された玲子は

今までの甘い表情から一変して、

まるで悪魔のような顔になり、

「“センヤク”って、誰よ」

と鋭利な刃物のような

鋭い言葉を発しながら、

真由たちから離れていった。


杏奈が真由の肩を

こんこんと叩き、

「今、香坂君、

 “先約”って言ってたね」

と微笑みながら言った。


真由は圭輔と一緒に

文化祭を回れるんだ

という実感が

じわじわと湧いて

胸がいっぱいになった。


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