初恋-はつこい-
数秒の沈黙の後、

圭輔が溜息をついた。


そして小さく、

「……そっか」

とだけ呟くと

真由たちに背を向け

その場を立ち去った。


「香坂くぅん、待ってぇ。

 玲子も行くぅ」


その後を玲子が慌てて

追いかけて行くのを、

真由はただ見つめるしかなかった。




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