初恋-はつこい-

離れた、心の距離

委員会での圭輔の言葉が

真由の耳から離れない。


お互いの距離が

近付いたと感じたのは、

自分だけだったのではないか

とさえ思うようになっていた。


そして深い悲しみが襲ってきた。


「……ゆ、真由!」


花帆に呼び掛けられて我に返る。


「あぁ、ごめんね、花帆」


ぎこちない笑顔を見せる真由に、

花帆は真由の頭を優しく撫でる。

「色んなことが起きちゃって、

 大変だよね。

 どうしようもなくなったら、

 私や杏奈に言ってね」


花帆の言葉に

真由の胸が温かくなる。


「ありがと」


花帆は思わず真由を抱きしめた。




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