初恋-はつこい-
「こ、香坂君……」


今まで感じたことのない

空気が二人の間を流れる。


真由はなんとか

心を落ち着かせようと、

無理して笑顔を作り

圭輔に話しかけた。


「こ、香坂君も今日、日直?」


真由とは対照的に

圭輔は無表情なまま、

「あぁ」

とだけ答える。


そして真由の横にある

日誌をすっと取り、

職員室を後にしようとした。


しかし真由は

圭輔との距離をを

どうにかしたくて必死に、

「あ、あの……」

と呼び止めようと声を掛けた。




< 362 / 485 >

この作品をシェア

pagetop