初恋-はつこい-

土屋君の想い

放課後。


圭輔と勇二のことが気になり、

正直、今日1日

日直どころではなかった。


真由は働かない頭で

なんとか日誌を仕上げると、

職員室へ向かおうと席を立った。


「真由、大丈夫?」


花帆が心配そうに

真由の顔を覗き込む。


真由は心配をかけまいと

笑顔を作り頷く。


「香坂君との仲が

 離れちゃったんでしょ」


花帆にすばり言い当てられ、

真由は自然と涙目になる。


そしてゆっくりと話し始めた。


「あのね、花帆。

 私、どうしたらいいのか

 分からなくって。

 土屋君からの告白、とか……。

 香坂君とうまく

 話せなくなっちゃったし……」



< 365 / 485 >

この作品をシェア

pagetop