初恋-はつこい-
プルルルル、プルルルル―――


呼び出し音が鳴り始める。


その音の回数が増える毎に、

真由の鼓動も早まる。


……香坂君、

出てくれるのかな……


……もし香坂君が出てくれても、

私なんて話せば……


色々な思いが絡まりあい、

真由はパニック寸前だ。


プルルガチャッ―――


長い呼び出し音の後、

受話器を取る音が聞こえた。


真由の心臓が

一瞬大きくドクンと

波打つように感じた。


「もしもし、香坂です」


電話の向こうから

可愛らしい女の子の声がした。




< 386 / 485 >

この作品をシェア

pagetop