初恋-はつこい-
「あ、あの……。

 菅野ですが、

 もしかして……詩織ちゃん?」


真由は震える声で尋ねた。


すると電話の向こうから、

「あ、菅野先輩。

 おはようございます!」

と飛びっきりの

明るい返事が響いた。


部活の後輩である詩織の声に、

真由は少しだけ

リラックスすることが出来た。


「あの、ね、詩織ちゃん。

 香坂君、お兄さん、

 いるかな……」


真由はゆっくりと

確かめるように尋ねる。




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