初恋-はつこい-
その一言が

まだ圭輔との距離感を感じ、

真由は少し落ち込んだ。


しかし、

杏奈と花帆のサポートを

無駄にしてはいけないと感じ、

思い切って

電話の向こうの圭輔に

気持ちを伝えた。


「あ、あの……。

 一緒に初詣、行かない、

 かなぁ……」


そう言った直後、

真由の心臓は最高潮に暴れる。


そしてどうかいい返事が

聞けるようにと、

真由は握り締めた片手を

胸に当て目をつむって祈った。


数秒の間。


その沈黙が

真由にはとても長く感じた。





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