初恋-はつこい-
まさか元旦に

訪問者が来るとは

思っていなかった母親は、

戸惑いながらも

玄関へと向かった。


暫くして母親が

にっこりと笑って

リビングへと戻ってきた。


「真由。

 そういう事だったのね。

 お客様よ、“男の子”の」


母親の言葉に

父親の目じりがすっと上がる。


真由はそんな父親の横を

素早く通り過ぎ、

足早に玄関へと向かった。


「よう、菅野」


圭輔が視線を少し

落としながら真由に声を掛けた。


まさか、圭輔が

迎えに来るとは

思っていなかったので、

真由は圭輔の姿を見て

たちまち固まってしまった。



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