初恋-はつこい-
私、

このまま渡せなくていいの……?


心の中で葛藤する。


私、

やっぱり、後悔したくない……!


そう心に決めた瞬間、

真由の口から

無意識に言葉が出た。


「香坂君、今日の放課後、

 会えないかな……」


真由の突然の誘いに

目を丸くしながらも

圭輔は軽く頷く。


「ああ、いいよ。場所は?」


場所……


頭の中が整理できていないまま

真由はどんどんと言葉を続ける。


「学校の近くのぞうさん公園……」


真由の言葉に圭輔は再度頷く。


「分かった。

 じゃ、放課後、公園で」


そう言うと、

圭輔は1組の教室へと

入っていった。



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