初恋-はつこい-
「受け取って、いいかな」


圭輔の言葉に

真由は小さくこくんと頷く。


圭輔はガラス細工を扱うように、

とても優しく

真由からチョコの箱を

受け取った。


真由はこの場を

どうしていいのか分からず、

「あ、ありがと」

と早口に言うと、

走ってその場を去ってしまった。


圭輔は真由から受け取った

小さな箱をそっと開けた。


そこには不器用ながらも

一生懸命作った不揃いのチョコと、

一通の手紙が入っていた。


圭輔はその手紙の封を開けた。


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