初恋-はつこい-
「そういえば、

 ……香坂君は?」


杏奈の言葉に

真由ははっと我に返る。


そうだ、香坂君の番号……


真由は急いで

掲示板を見返し始める。


圭輔の番号は174番。


真由の番号の下を

ゆっくりと確かめる。


「あ、あった……。

 あったよ!」


圭輔と

一緒の高校に通える嬉しさで、

どうにかなりそうだ。


「菅野」


後ろから呼び掛けられ、

真由は勢い良く振り返る。


圭輔がとても穏やかな表情で

立っていた。


「高校も一緒だな。宜しく」


圭輔の言葉に

真由は頬を赤らめながら頷いた。


「うん、よろしくね」



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