初恋-はつこい-
囁かれた耳から

真由の全身に電流が流れる。


「好きだ」


圭輔の優しい声が

真由の耳に響く。


「え……」


真由は思わず

聞き返してしまった。


そんな真由に

圭輔は小さく笑って、もう一度、

「菅野が、好きだ」

と囁いた。


「ほ、本当……」


真由は圭輔の言葉が

夢のような気がして

信じられずにいると、

圭輔は少し体を離して、

真由のおでこにそっとキスをした。


「高校行っても、よろしく」


圭輔の触れたおでこが熱い。


真由はぼうっとしながらも

こくんと頷く。




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