初恋-はつこい-
放課後。


真由は同じ図書委員の勇二と

一緒に図書室に来ていた。


これから2回目の委員会が開かれる。


真由の斜め向かいには圭輔。


そして隣には玲子。


真由は自然と

圭輔の方へ目がいきそうになっていたが、

玲子からの身の凍るような視線が怖く

うつむく事しか出来ない。


圭輔とこんなに近くにいるのに

果てしなく遠く感じた。


そんな真由の姿を玲子は鼻で笑い、

真由に見せびらかすように

圭輔と会話している。


そんな2人を見たくない真由は

さらに頭を下げた。


「おい、菅野。大丈夫か」


圭輔が玲子の会話を遮って

真由に声を掛けた。


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