初恋-はつこい-
真由の様子がおかしいと

気付いたようだ。


「あ……。

 香坂君、何でも、ないの……」


すぐ消えてなくなりそうな

小さい声で真由は答えた。


本当は圭輔に声を掛けられて

すごく嬉しくてたまらないのだが、

これ以上、玲子にいじられたくない一心で

精一杯の強がりを見せた。


「でも、うつむいてるし」


それでも圭輔は真由を心配し、

声を掛け続ける。


「だ、大丈夫。し、心配しないで」


圭輔の顔をまともに見れない。


「やっぱり大丈夫じゃなさそうだ。

 保健室へ行こう」


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