初恋-はつこい-
「失礼します」


圭輔は真由を優しく支えながら

保健室のドアを開く。


「先生、いらっしゃいますかー」


圭輔の声が虚しく響く。


どうやら保険医は外出中のようだ。


真由は圭輔と密着している事が

信じられなくて、

身体中がものすごく熱く、

視線が定まらない。


そんな真由を

圭輔はとろけそうな目で見つめる。


「菅野、大丈夫か」


「ほ、本当に、だ、大丈夫……」


真由は緊張で口が渇き切ってしまい

うまく喋れない。


「じゃ、

 とりあえずベッドに横になってな」


そう言うと

圭輔はゆっくりと真由を誘導する。


まるで

壊れやすいガラスをを扱うかのように

エスコートし、

真由をベッドに座らせた。



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