初恋-はつこい-
「結局真由ってば、

2年間のチャンスを無駄にしたもんね」


「だってぇ……」


昇降口へと歩きながら

真由と杏奈は2年間を振り返っていた。


確かに杏奈の言う通り、

真由はせっかく2年間

片想いの相手である圭輔と

同じクラスだったのに、

入学式のあの一言しか話せていなかった。


ただただ、

毎日圭輔を見つめるだけだったのだ。


真由にとって

圭輔を目で追いかけるだけで精一杯だった。


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