Sweet Life
「ま、俺が着いてるから安心しろ」
「はい?」
な、何を安心するんでしょう?
「お前の両親とも約束したからな。みっちりしごいて成績上げてやる」
「……」
な、何で新婚旅行の最中にこんな話なの。
もしかして…
杉下君のことに対する嫌がらせ?
う~ん
ありえるな、樹なら。
だ、だけどホントに何にもないのに勝手にヤキモチ妬いて嫌がらせって…
お祖母ちゃんが言うように樹って子どもぽいかも。
フフフ…
「何を笑ってんの?余裕かまして」
へっ?
「私、笑ってた?」
「あぁ」
「そうなんだ」
「フッ 何だよ、それ」
「何でもないよ」
「ん?」
「高校生はね、お箸が転がっても可笑しいの」
「あ、そう」
「うん」
信号待ちで
そっとハンドルにかかっている樹の手に手を重ねて
「ん?」
「ううん」
「フッ 変な奴」
空いてる方の手で髪をくしゃくしゃにされた。
「もう、樹の馬鹿」
「ハハハ…」