Sweet Life
「誰かと来たのかなって」
「誰かって…女か?」
「あ、いやぁ…ハハハ…」
「馬鹿か!他の女と来たとこに嫁さんを連れて来るか!俺そこまで無神経じゃねえし」
「で、でも」
「ん?」
「お、女の人と…その」
「旅行に行ったことあるってか?」
「……」
「まぁ、俺も大人だし、いつも言うようにいい男だしな。ないとは」
「もういいです!」
また私この間の二の舞だよ。
答えを聞いていい気はしないの分かってるのに。
樹は私とは違って大人だもん。
「菜摘」
「もう聞きたくないです。樹のモテた話とか、こ、恋人の話なんか」
「……」
「わ、私…お庭を散歩してくる」
部屋を出ようとしたら
「ヤキモチ妬きの奥さんだな」
腕を掴まれて抱き寄せられた。
「樹…」
「俺の奥さんはお前だろ?確かに何人か付き合った奴はいるけど結婚したいって奥さんにしたいって思ったのはお前だけだから。ヤキモチなんか妬いてねえで自信を持て」
「……」
「なっ」
「う、うん」
樹の胸に顔を押し付けた。
嬉しいのと恥ずかしいのでたぶん真っ赤になってるはずだもん。