Sweet Life



コンコン!


「おい菜摘、開けろ」


あっ、樹だ。


どうしよう?


樹に見てもらった方がいいのかな?


でも気持ち悪いって言われたら…


「おい、菜摘って!そこにいるのは見えてるんだけど」


ガチャッ!


鍵を開け


「一々風呂入るのに鍵なんて…ってどうしたんだよ?」


私が泣きそうな顔をしてるのを見て


「何か」


「た、樹」


「ん?」


「わ、私…病気かな?」


「病気って…苦しいのか?」


私の顔を覗き込み



「ん?」


「ち、違うの。苦しくはないんだけど」


「……」


「樹、ちょっと見てくれる」


巻いていたバスタオルをずらし


「な、何だかね、赤い斑点があっちこっちに」


「ブッ!ブハハハ…」


何故か豪快に笑い出した。


「な、何がおかしいのよ?人が真剣に悩んでるのに」


樹が斑点を指でなぞり


「病気じゃねえし」


な、何で分かるのよ。


「これ…キスマークだし」


「……」


へっ?


キ、キスマーク?




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