Sweet Life
暫く眠ったようで目覚めたら樹はいなかった。
嘘つき。
傍にいてってお願いしたのに。
やっぱり意地悪なんだから。
服に着替えて寝室を出ようとすると
襖が開いて
「あ、起きたのか?」
「……」
「ん?」
私が顔を背けたからか覗き込み
「どうした?」
「嘘つき」
「ん?」
「傍にいてくれるって」
「フッ ば~か。朝飯が運ばれて来たからあっちに行ってただけだ」
「……」
「それまでずっと傍にいた」
「ご、ごめんなさい」
「ごめんなさいで済ますんだ?この俺を嘘つき呼ばわりしといて」
眉間にシワが入ってるし。
怖いよ~
「どうしてくれんだ?俺の心は傷ついた」
何だか芝居がかってるんですけど。
「ごめんなさい。許して下さい。ね」
「どうすっかな」
「ね、樹」
「じゃあ」
「うん」
「キスして」
ニヤッと唇を引き上げて
もう!
背伸びをして軽く唇を合わせる。
と、樹が抱きしめそうになったので慌てて離れて
「お腹が空いたから朝御飯食べよ、ね」
「……」
樹を置いて部屋を出る。