Sweet Life
「えっぇぇ~うっそぉ!」
「信じらんないよね」
「ねぇ」
朝、教室に入ったら何だか女子が盛り上がっていた。
梅雨で雨続きの鬱陶しい空気を吹き飛ばすかのような華やいだ、いや賑やかすぎる声
「おはよう。いったい朝からどうしたの?」
「あ、菜摘 おはよう」
先に来ていた唯ちゃんと紗英ちゃんもやや興奮気味
「今ね、早川さんに聞いたんだけど」
「うん」
「な、何と、あの鬼火浦がデートしてたんだって」
「えっ?」
鬼火浦がデート?
鬼火浦って火浦先生で…
火浦先生って私の旦那様で…
その旦那様がデートって…
えっ?
一緒にいるところを見られたの、もしかして?
「それもね、そのデートの相手が」
「……」
ビ、ビクッ!
「金髪美人だって」
「へっ?」
き、金髪?
私…黒髪だよ。
「まるでモデルみたいな外国人」
「えっ?な、何ですってぇ~」
思わず声を荒げてしまった。