Sweet Life
私の家はマンションの7階
エントランスを抜けて外へ
私が車に近づくと助手席のドアが開いた。
車に乗り込み
「何処か行きたい所あるか?」
「……」
「菜摘」
「何処へも行けないじゃない。一緒にいる所を見られたりしたら」
「……」
「……」
私は頑なに前を見据えて目を合わせない。
「…俺の家でいいな」
車を走らせて彼の家へ
ガレージに車を止めて
「降りるぞ」
私のシートベルトを外して車から降ろした。
腕を掴まれマンションに入って行く。
彼の部屋に行きソファーに
「何、飲む」
「いらない」
「紅茶でいいか?」
「いらないって」
私の傍に座り
「何、怒ってんの?」
俯いてる私の顔に手を掛けて
「泣いてんのか?」
「泣いてないもん」
「泣いてるだろ」
親指で涙を拭き取って
そっと抱きしめてくれた。