Sweet Life
「ん?何、拗ねてんだ」
「だ、だって」
「あ~俺が青葉の教師になったことを黙ってたからか?」
私の学校は青葉高校という。
「悪気はなかったんだが。あそこの理事長とうちの祖父さんが友達でな、どうしてもと頼まれたんだ。ちょうどアメリカ研修から帰る時だったし」
そう、一年間アメリカ研修に行っていたのは聞いていた。
「前の学校に戻ってもよかったんだが、祖父さんに言われたら俺も弱いから仕方ないし」
「じゃあ私が青葉の生徒だって分かってたのに何故言ってくれなかったんですか?」
「……」
「先生」
「はぁ~ほらお前、もう俺のことを『先生』って呼んでんだろ。俺が青葉の教師にって分かってたらお前は俺を先生としか見ない。男とは見てくれない。だからだ」
「…な、何それ」