Sweet Life

唇を離し


「菜摘、俺はキスしてって言ったんだ。今のはキスじゃないだろ」


唇が触れたらキスじゃないのかとか、じゃあキスの定義は何じゃらほいとか脳内が逃げるように変な考えがグルグル回っている。


「菜摘」


「あ、あのね」


「ん？」


「や、やっぱり目を閉じてくれないと…そのムードとか」


「ムード？お前も女の子だな」


「た、たつき！当たり前じゃない。私は女の子です。それとも樹、私を男とでも」


「ｸｯｸｸｸ…ば～か。分かった。目を閉じたらいいんだな」


わざとらしく目を閉じて


「ほら」


だからムードがって言ってるじゃない。


ホントに分かってないんだから。


はぁ～仕方ない。


再び樹の頬に両手を添えて唇を…


先程より強く押し当て舌先で樹の唇をなぞる。


そして樹の唇の隙間から舌を…


樹の舌を捉えて絡めた。