Sweet Life
其の二
「いよいよ明日からだね」
「ね~終わったら楽しい夏休み…ってわけないか」
「だよね~」
学校からの帰り道
唯ちゃん、紗英ちゃんとぐだぐだ喋りながら
「ま、お互い頑張ろうね。夏休み少しくらい遊ぼうよ。息抜きも必要だよ」
「そうだよね。ね、プール行かない?」
「あ、行きたい」
「水着買いたい」
何故か試験を通り越して夏休みにプールに行く話に。
これって軽い現実逃避だよね。
「杉下君達も誘おうよ」
「えっ?」
「あ、そうだね」
杉下君達も…って
あ~ヤバいよ。
なんたって私にはあのヤキモチ大魔王がいる。
たぶんこう言うよね。
『ほぅ~プールね。杉下達も一緒にか?ま、行きたかったら行けば。ただし、このプリントで100点採れたらな』
とか何とか…
眼鏡の奥の瞳を意地悪く光らせちゃったりするんだよ、きっと。
「菜摘、菜摘って」
「えっ?」
「何トリップしてんの?」
「あ、分かった」
「えっ?」
「杉下君の水着姿想像してたんでしょ?このスケベ」
「え~菜摘、ほんと?」
「あるわけないない。第一杉下君とは何でもないからね」