Sweet Life
「そんなに怒らなくても」
「べ、別に怒ってないけど変なこと言わないでよね。杉下君にも失礼だよ」
冗談でもそんな噂が広まるとヤキモチ大魔王が…私を苛める。
私はまかり間違っても『M』ではないんだからね。
苛められて喜ぶなんてありえないし。
「ごめん。だけど菜摘、本当に杉下君のこと」
「何とも思ってないって。ただの友達の一人だから」
「そうなんだ」
「ま、そんなことはどうでもいいじゃない菜摘も唯ちゃんも。とにかく試験が終わったら水着買いに行こう」
「うん、賛成」
――
―
「じゃあね、バイバイ」
「バイバイ」
三人別れて家へ
はぁ~
何だか疲れた。
唯ちゃん紗英ちゃん…私と杉下君のこと、そんな風に思ってたのかな?
あの二人だけの冗談ならいいけど。
本当、気を付けないと。
もちろん樹のこともあるけど…
杉下君を傷つけちゃいけないよ。
何たって杉下君は私には好きな人がいるのを知ってるんだもん。