Sweet Life
お風呂から出て
「長湯だったな」
「沈んでた」
「はぁ?」
私の顔を見て
「茹だってんな」
私は蛸ですか?
冷蔵庫からミネラルウォーターを持って来て
「ん。飲め」
「ありがとう」
ソファーに座って
「キャッ」
「まだ濡れてんぞ」
タオルで頭をゴシゴシされてる。
「いいよ、これからドライヤーかけるし」
「してやるよ」
「えっ?」
樹がドライヤーを取りに行き
「た、樹」
「試験頑張ったご褒美だ。ありがたく思え」
優しくしてくれるのは嬉しいけど、一々一言多いのよね。
「ん?」
「い、いえ、ありがとうございます」
「ん」
乾かしてくれる樹の指が優しくて、何だか眠たくなってきた。
「ふわぁ~」
「でかい欠伸だな」
「だって…」
「あんだけ寝てたのにまだ眠いのか」
「うん。眠たい年頃ですから」
「フッ 眠たい年頃か。ん、出来た」
ドライヤーを止め、髪をとかしてくれる。
あ~やっぱり眠たいよ~
「おい、此処で寝んな。ちゃんとベッドで寝ろ」
「めんどくさいよ~樹、連れてって」
手を樹に伸ばす。
「自分で行けよ」
「やだぁ~もう歩けない」
樹にしがみつく。