Sweet Life



水着を買い、他にもトップスやパンツを見たり約束通り紗英ちゃんにアイスを奢ってまた長々と話をしていた。


「菜摘、今週末からだよね」


「うん」


「見送りに行こうか?」


「へっ?」


み、見送りって…絶対に駄目!


「い、いいよ。朝めっちゃ早いし。そ、それに見送ってもらったりしたら泣くかも」


「何を言ってんのよ」


「赤ちゃんじゃないんだから」


この際『赤ちゃん』と言われようとも気にしてる場合じゃない。


「そ、それに…お、叔父さん達が行ってくれるから。車に乗れないし」


「あ~そうだね」


「じゃあ気をつけて行くのよ」


「うん。ありがとう」


唯ちゃん紗英ちゃん、ごめんなさい。


菜摘は嘘をつきました。


叔父さんじゃなく唯ちゃん達には『鬼』である火浦先生と一緒に行くんです。


私は『鬼火浦』の妻なんです。


……





ってことは…もしかして私も『鬼』?


「い、嫌だ~」


「菜摘」


「どうしたの?何が嫌なの?」


へっ?


わ、私…声に出してましたか?


「菜摘」


「な、何でもないです」


「……」


「ほんとに何でもないよ」


「菜摘、勉強し過ぎて頭が草臥れてんじゃない?」


「イギリス行きに興奮して寝てないんじゃない?」


二人から思いきり同情の眼差しを…



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