Sweet Life
熱が徐々に引いていき
樹の鼓動を聞きながら
「樹」
「ん?」
「ううん、何でもない」
「ん?」
「呼んでみたかっただけ」
「……」
「『樹』って呼ぶ度にね、あ~私の旦那様なんだって。樹は私の特別って感じられるの」
「俺はお前の特別か?」
髪を優しく撫でながら
「うん。樹」
「ん?」
樹の背中に手を回して
「私は?私も樹の…特別?」
「フッ」
「ねぇ?」
「言わなくても分かるだろう?」
私の顎に手を掛け
そっと口づける。
啄むように何度も何度も。
「樹…言って」
「今、言ってる」
そして深く口づけを。
樹の舌と私の舌が何だか別の生き物のように絡まり…まるで愛を交わしているよう。
「…フゥ…ァァ~」
また体に火が点いたように熱く…