Sweet Life



「樹、離してよ。起きないと」


「まだ早い」


時計を見て…まだ7時になってないんだ。


「で、でも樹のご両親が」


「着くのは10時頃だし。菜摘の親父さん達が迎えに行ってくれるから此処に来るのは昼前だな」


いや、いくら昼前でも。


「で、でも」


「ん?」


樹が首に顔を埋めて


「樹…駄目だってば」


「何で?」


顔を上げて私の唇に指を這わしている。


その手を押さえ


「あ、あのね」


「ん?」


そんな艶っぽい目で見ないで下さい。


「あ、明日ね」


「ん」


「結婚式じゃない」


「それがどうした」


「だ、だから今日は結婚式前日だから…しないで下さい」


「はぁ?…よく聞こえなかった。何をしないでって?」


「……」


絶対聞こえてたよね。


「ん?菜摘」


「だから、明日まで抱かないで下さい!」


あら、思わず声を荒げちゃったよ。


「……」


「……」


「クッククク…ハハハ…」


あ~ぁ、笑い出すし。



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