Sweet Life



「た、た、たつき~マ、マ、マリッジリング~」


私が慌てふためいてると


「菜摘、落ち着きなさい」


「菜摘ちゃん、どうしたんだ?」


両方の親が驚いて私を落ち着かせようと


「あぁ大丈夫だ。ちゃんと用意してある」


「……」


へっ?


樹を見ると


「俺はお前と違って結婚指輪のことは分かってる」


「……」


何か嫌味たらしい言い方。


「い、いつ買ったのよ」


「ん?ま、それはどうでもいいだろ」


「……」


やっぱ腹立つ。


「フフフ…」


ローラの笑い声に振り返ると


「ナツミ、私達が日本に行った時…ナツミ言ってたでしょ?タツキが外国人の女性と歩いてたって」


…そう。友達が見たって。


後でローラだと聞いたんだけど。


「あの時ね、タツキに頼まれてマリッジリングを見に行ってたの。タツキが『ナツミはマリッジリングのことに気づいてないからサプライズしたい』って」


「ロ、ローラ」


樹が照れてる。


あの時二人でいたのはそういうことだったのか。


「ナツミ、凄く素敵なリングだから楽しみにしていてね」


「は、はい」


「菜摘、よかったな」


お父さん…


「うん。樹 ありがとう」




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