Sweet Life
「今度は何を落ち込んでんの?」
へっ?
その声に顔を上げて樹を見ると
笑顔を浮かべているけど目は…心配してくれてんのかな。
「ううん、落ち込んでないよ。ただ」
「ん?」
お父さん達には聞こえないように小さな声で
「やっぱりお子様なのかなって」
「フッ ば~か」
「……」
「単なるお子様じゃねえだろ。色んな菜摘がいる。それでいいんだ」
色んな私…
「第一単なるガキと俺が結婚するか」
「えっ?」
「俺、しつこく言うけどロリコンじゃねえからな」
耳元で囁くように
わ、私…沸騰しそうだよ。
お父さん達、気づいてなくてよかったよ。
お昼ご飯を済ませ
「貴方達は何処か観光にでも行ってらっしゃい。私達はホテルに行くから」
お義母さんが言うとお母さんも
「ちゃんとホテルまでお送りするから安心して貴方達は出かけなさい。夕食迄に戻って来たらいいから」
「じゃあそうさせてもらいます」
「樹」
「菜摘ちゃん、気にしないで楽しんで来て。私達はまだお話しもあるから。ね」
「はい」
お父さん達とお店の前で別れて観光へ
うん、待ちに待ってた観光だよ。
行きたい所いっぱいあるんだから。
「樹、早く」