Sweet Life



「ごめん」


慌てて上がり


「フフ 磨きあげてたみたいね」


「菜摘、早く髪を乾かして来なさい」


「あ、お父さん おはよう」


「挨拶は後でいいから」


「はぁ~い」


部屋に入りドライヤーをかけ


結婚式の朝までお子様扱いされてしまった。


着替えを済ませて



「さ、早く座りなさい」


「はぁ~い」


テーブルにはご飯、お味噌汁、鮭、だし巻き卵、海苔と『ザ·和食』が並んでいた。


「うん、美味しい」


やっぱりお母さんのお味噌汁とだし巻きは絶品だわ。


「菜摘、お前はいつも朝はどうしてるんだ?」


いきなりお父さんが


「ちゃんと作ってるわよ。パンとコーヒーとハムエッグやらサラダ」


失礼しちゃうわ。


お弁当だって作ってるもん。


「あなた、菜摘も主婦なんですから。そんなに心配しなくても」


「そうよ、お父さん。樹だって美味しいって言ってくれるもん」


たまにだけど。


「ハハハ…そうか。それならいい。お父さんにはお前が主婦、奥さんって言うのがまだピンとこないんだ。お前が主婦してるのを見てないし。それに」


「えっ?」


お父さんが優しい顔で私を見て


「お父さんには菜摘はいつまでも小さい菜摘なんだよ」


「お父さん」





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