Sweet Life



「ハハハ…何か変だな。樹君に菜摘を押し付けた張本人なのに」


「お父さん、押し付けたって」


私はお荷物ですか?


本当に失礼な話だわ。


「ハハハ…ごめんごめん」


「フフフ…菜摘」


「はい?」


「お父さん、寂しいのよ」


「おい、母さん」


フフ お父さんが慌ててる。


「樹さんに菜摘をお嫁さんにしてもらって安心してるんだけど…やっぱりね、菜摘は一人娘だから寂しいのは仕方ないのよ」


「……」


お父さんが目を逸らす。


「お父さん」


「菜摘、もう用意しないとな」


「あ、うん」


これ以上此処にいたら泣きそうだから



「ごちそうさま」


食器をシンクに運び


「菜摘、お母さんが洗うから支度してらっしゃい」


「うん。ありがとう」


急いで部屋に


やっぱりお父さん寂しいんだ。


でも私一人を日本に置いとくのも心配だから一番信頼出来る樹に託したんだ。


そうだよね。


17の娘を結婚させるなんて親の方も覚悟がいるよね。


もう暫く手元で慈しみたかったよね。


お父さん、お母さん…ありがとう。


菜摘は幸せだよ。


お父さん、お母さんに愛されて。


面と向かっては照れ臭いから言えないけど感謝してます。




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