Sweet Life
さっ、いつまでも泣いているわけにはいかない。
でも用意って、これといってないんだよね。
青いリボンの下着を着けるだけで。
後はお母さんから貰った真珠のネックレスとイヤリング。
お義母さんから借りたダイヤのピンを持って行くだけよね。
あ、そうだ。
樹 起きてるかな?
電話してみようっと。
RuRuRuRu
「ん?」
「おはよう。ちゃんと起きてる?」
「起きてるから電話に出てる」
「……」
本当に素っ気ないて言うかぶっきらぼうだわ。
こんな樹をお父さん知ってんのかしらね。
「菜摘 どうした?ちゃんと寝たか?」
「うん。よく寝て今ご飯食べました。樹は?朝ご飯」
「今食って帰って来た」
「お義父さん達は?」
「ん、朝飯済んで散歩に行った」
「一緒に行かなかったの?」
「お前なぁ。何で一緒に行くんだよ、お前じゃあるまいし」
相変わらず一言多い。
「お前は何をしてるんだ?」
「うん、樹に電話してる」
「……」
「冗談だよ。もう用意も済んだし…樹の声が聞きたくなったの」
「もう俺が恋しいのか?」
「……」
勝ち誇った感じがするのは気のせい?
「菜摘」
「うん」
「もうすぐ逢えるから我慢しろ」
「フフ そうだね」
「じゃあ切るぞ」
「うん。樹」
「ん?」
「大好きだよ」
プツッ!
樹が応える前に切る。