Sweet Life
「菜摘、綺麗よ」
ウェディングドレスを着て髪もアップにしてお義母さんに借りたダイヤのピンを飾りメイクもしてもらいちょっと大人っぽく。
真珠のネックレスとイヤリングをしてティアラを飾りベールを。
鏡に映ってる私はいつもの私ではなく…
これで樹も惚れ直してくれるかな。
「タツキが来てるか見てくるわ」
ローラが気を利かせて私とお母さんの二人にしてくれた。
「お母さん」
「お父さんと同じになるけど、樹さんと幸せにね」
「うん」
「今までやってこれたんだから」
「うん」
「菜摘、泣いちゃ駄目よ。折角のお化粧が崩れるから」
「うん」
でも目はうるうる。
お母さんの目も潤んでる。
「お母さん」
お母さんがそっと抱きしめてくれて
「貴女は私の子どもだから。何処に行こうと、誰と結婚しようと、幾つになろうとね」
「うん、うん」
あ~駄目だ。
涙が…
「菜摘、泣かないの」
「お母さんが泣かしたんじゃない」
ハンカチでそっと押さえてくれて
「綺麗にしてないと。樹さんを驚かすんでしょ」
「お母さん」
お母さんは何でもお見通しなんだね。