Sweet Life
――
―
う、うん?
う、動けない。
身動きがとれない。
こ、これはもしかして…金縛り!?
い、いやだ。
「た、た、たつき~」
「ど、どうした?」
……
…へ、へっ?
「菜摘?」
体が軽くなり…動ける。
「…寝ぼけたのか?」
「た、樹…私に抱きついてた?」
「あ、あぁ。風呂から出てきたらお前もう寝てたから。起こすのもあれだったんで」
で、抱きついて寝てたんですか。
「もう!あまりにもがっちりと抱きついてるから身動きとれなくて…金縛りにあったのかと」
「金縛り?」
「だ、だってロンドンって幽霊のメッカだよ」
「……」
「このホテルも古式ゆかしいと言うか古そうだし」
「で、金縛りか」
「……」
「もう寝ろ。お前…疲れてるんだな」
「……」
「な、寝ろ」
私を抱き抱え横になり頭を優しく撫でている。
「寝れそうか?」
「うん」
「菜摘」
「うん?」
「今日のお前…綺麗だった」
「樹」
「あのウェディングドレスがよく似合ってた」
「そ、そう?」
「いつもと違って大人の女性だった」
「大人の」
「見惚れてしまった」
「ほ、ホント?」
「あぁ」