Sweet Life



―――


――





漸く落ち着いて樹の胸に頭を寄せて


「菜摘」


「うん?」


「新婚初夜はどうだ?」


「えっ?」


『新婚初夜』って…


「普通の新婚みたいに結婚式の夜に結ばれたいって何日もお預けにされてたからな」


何日もってほんの数日じゃない。


ホント大層なんだから。


「菜摘」


「あ、うん。普通の結婚みたいで嬉しい」


「あぁ?普通の結婚って俺達は普通じゃないのか?」


「……」


何で一々挙げ足を取るんでしょう?


絶対に樹の方が子どもだよね。


ちょっとからかおうかな。


「う~ん現役高校生と担任教師の結婚って普通じゃないよ。何かさ漫画か小説の中のお話しみたいじゃない」


「……」


「ね、先生」


「俺は担任じゃなく副担任だ」


「……」


マジに負けず嫌いだ。


「菜摘」


「そうでした。火浦先生は担任ではなく副担任でした」


「ん」


何なのよ、この不毛な会話は。




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