Sweet Life



驚いて振り返り樹を見ると


「『夜になれば二人きり』って誘い文句だろ。案外積極的だな」


「そ、そんなつもりじゃないし!そんなつもりで言ってない」


あたふたと樹の膝の上で暴れると


「落ち着けって」


強く抱きしめられる。


「ほんとにからかいがいがある奴だな」


「馬鹿~」


樹の首にしがみつくと


「あ~よしよし」


背中を撫でて


「樹」


「ん?」


「髪…撫でて」


「こうか?」


優しく撫でてくれる。


「うん。樹に撫でてもらうと落ち着くの。安心するの」


「フッ 甘ったれ」


「いいの」


樹だから


樹にだけだから


甘えるのは。


――





RuRuRuRu


携帯電話が


「はい。あ、お母さん、うん、はい今行きます」


携帯を切って


「お父さん達来たよ」


「だな。いちゃつくのはまた後からだな。我慢しろよ」


「なっ!我慢するのは樹でしょう」


あ~恥ずかしい。


チュッ!


軽くキスをされて


「今はこれで我慢しとく。さ、行くか」


唇に触れ


もう樹ったら…




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