Sweet Life
デザートもとても綺麗で美味しかったんだけど
樹の言葉で舞い上がってよく分からなかった。
お食事を済ませて再び甲板へ
「風が気持ちいいね」
シャンパンと樹に酔った頭にはちょうどいい。
このクルージングは2時間半掛けてゆっくり回る。
何か大人になったような、そしてちょっとハイソサエティな雰囲気も味わえて
「樹 ありがとうね」
「ん?」
「この船に乗せてくれて」
「ん」
そっと後ろから抱き寄せてくれた。
「樹」
風にあたって少し落ち着いたのに…また熱が上がる。
樹の体温に香りに吐息に…酔う。
「樹」
「ん?」
「キ、キス…して」
「菜摘?」
あっ!
私、何を言ってんだろ。
回りに人もいるのに。
「い、今のはなかったことに」
私を振り向かせ
軽く唇が触れた。
「後は帰ってからな」
ニヤリと
「ば、馬鹿」
樹に抱きついた。