Sweet Life



漸く樹が起きてきて朝御飯


「まだ拗ねてんのかよ」


「拗ねてません」


「膨れっ面」


「生まれつきです」

私はまだちょっとさっきのことを怒ってる。


ってか怒ってるフリをしている。


「だってな、菜摘さん」


な、何よ『菜摘さん』って。


「ロンドンから帰ってから…いやロンドンの最後の夜もだ」

「はい?」


いったい何の話でしょう?


「お前に触れてない。抱いてない」


ブホッ!


食べていたパンが詰まった。


こ、この人は朝から何を言い出すんでしょう。


いくら夫婦だって二人きりだって…朝からおおっぴらにする会話なんでしょうか?


「今日から二泊三日で合宿だぞ。その間お前に触れられないんだぞ。だから充電」


「充電って」


「菜摘さんは愛しの旦那様が欲求不満になって合宿で我を忘れてみんなの前でお前に抱き着いたらどうする?」


「……」


「だからそうならないためにも、学校クビにならないためにもだな」


「ク、クビ?」




< 412 / 538 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop