Sweet Life
「煩い!」
樹の怒鳴り声にシーンと。
「俺の彼女はな、どうしようもない『ど天然』だ」
「えっぇぇぇ~」
「ど天然って?」
「じゃあどうして好きになったんですか?」
みんなが口々に。
「あまりにも危なかっしいんでほっとけなかったんだ。見張ってないと何をするか分かんない奴だからな」
「キャ~」
「なんか可愛い~」
うっぅぅぅ~
『ど天然』で悪かったわね。
『何をするか分かんない奴』ですみませんね。
私は佐渡の朱鷺ですか?
中国のパンダですか?
保護されないと危ない絶滅危惧種ですか?
樹を睨むと
その視線に気づいたように
分かるか分からないくらいに口角を上げて『フッ』と笑い
「だけどそんな奴でもな、俺には大事な奴なんだ。以上」
そう言って部屋を出て行った。
――
―
みんな ポカーン
私一人…真っ赤