Sweet Life
「菜摘いいのか?」
「駄目です。アイスクリームは…」
チキンも惜しいけどアイスクリームはもっと惜しい。
「ん。なら」
「…だからですね。火浦先生は実にクールで厳しいお方ですから…そんな先生に彼女はいるんだろうかと。で、もしいたらその彼女さんはどんな人だろうかと」
「で『実にクールで厳しいお方』の火浦先生だから、その両極端ってか?」
「そうみたいです。で、一応私がその彼女なわけで…自分で『鈍感女』とは」
「で俺が『野獣』でお前が『美女』だと」
「す、すみませんでした」
ここは素直に謝っておこう。
でないとアイスクリームが。
「謝ることはない」
「えっ?」
顔を上げて
「俺も『ど天然』って暴露したしな」
『暴露』って…
「じ、じゃあ樹は私のことを『ど天然』だと」
「事実だ」
「違うもん」
「自分のことは分かんないもんだ」
「……」
「膨れるな。ほらチキン」
チキンを渡され
「ありがとう」
って何でお礼言ってんだろう?
ま、いいや食べれるなら。