Sweet Life



「で」


「……」


「お父さんは家族でイギリスにってか?」


ケーキを食べ終えて


「私…一人っ子でしょう。それに加えてお父さん心配性って言うのか私を小さい子だと思ってるみたいで…」


「確かにな」


「えっ?」


樹も私を子どもだと。


「違うって」


私の思ってることが分かったみたいで



「年頃の女の子を一人で置いてくのが心配なんだよ。子ども扱いとかじゃなくて」


「日本に残るならお祖父ちゃんとこへって」


「祖父さんって…関西か四国か」


あれ


「何で知ってるの?」


「お前昨日電話で言ってたじゃないか『イギリスでも四国でも関西でも何処へ行っても樹は構わないんだ』って。涙、鼻水付きで」


う~ちょっと恥ずかしい。


俯いてしまう。


「平気じゃないから」


「えっ?」


顔を上げると…抱き寄せられて


「イギリスにも関西にも四国にも行くな」


「樹」


樹に言われたこの言葉が嬉しくて


「お、お母さんは…学校のこともあるし…樹もいるから…残ってもいいって…思っててくれて…お父さんに…」


「俺がいるからってか?」


「う、うん」


樹は私の頭を撫でながら


「樹」


「……」


「た、たつき?」


「……」


「たつきってば!」


樹が私の顔をじっと見て



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