Sweet Life
「えっ?ち、ちょっと」
反対に抱きしめられた。
「……」
「す、杉下君」
「……」
「杉下君、離して」
もがくんだけど
「高原」
杉下君の顔が迫ってくる。
「い、いや~」
力を振り絞って何とか…
杉下君は驚いたように
「ご、ごめん」
「……」
私はマンションに走って戻った。
「高原」
呼んでいる杉下君を無視して。
――
―
エレベーターに乗り込み7階を押す。
今は樹の顔も見たくない。
何も考えたくない。
一人になりたい。
高原の家に戻り自分の部屋のベッドに倒れ込んだ。