Sweet Life
「樹は」
「ん?」
「何処にいるの?」
「はぁ?何処にいるって家に決まってるだろ」
帰って来たんだ。
時計を見ると11時
竹田先生とはもう別れて帰って来たのかな。
「菜摘、で、いつまでそこにいるわけ?」
「……」
何で私が此処にいることを知ってんだろ。
時間的にもう帰ってる筈の時間にいないから此処だと思ったのかな?
「菜摘?」
段々と声が低くなって…怒ってる?
でも怒りたいのは私の方だよ。
「こ、今晩は此方に泊まるから」
「……」
「おやすみなさい」
「な」
樹が話し出す前に携帯を切った。
BuBuBu
また鳴り出した。
今度は電源を切る。
このままで済むとは思ってないけど…
ちゃんと話しをしなくちゃいけないけど…
今晩はもう何にも考えたくない。
樹のことも…
杉下君のことも…
ベッドに突っ伏して…いつの間にか眠った。