Sweet Life



「き、昨日…夕べ…みんなと帰る時に見たの」


もう涙は止まってる。


「ん?何を」


「た、樹と…た、竹田先生が」


「……」


「だ、だ、抱き合いながらタクシーに」


「はぁ?」


すっとんきょうな声を。


「誰が誰を抱いてたって」


「……」


ジロッと睨み付けられて


こ、怖い。


「ん?菜摘」


「わ、私だけじゃなく唯ちゃんや紗英ちゃんや杉下君も」


「ん?杉下」


またまたジロッと。


でも怖がってる場合じゃない。


「樹と竹田先生が抱き合って…タクシー に乗ったの見たもん。樹、私が杉下君と 抱き合ってるなんて言ったけど自分だって…それもあんなに人がいる所で」


また涙が流れてきた。


やっぱり涙って枯れないんだ。





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